SIGMA DP1 を買おうか迷う

FOVION ASP-C サイズイメージセンサ搭載なSIGMA DP1
発売当初からかなりあこがれていましたが,10万とかなかなかお高くて手が出ずにいました.
最近はモデルチェンジしてDP1s とかもうすぐDP1x とかが出るそうで旧機種のDP1 は大分値下がりしてきています.

- SIGMA DP1 : スペシャルコンテンツ
http://www.sigma-dp1.com/jp/

DP1x では画像処理エンジンが新しくなるのでそちらが理想ですが,価格を考えるとDP1 でいいかなと.
#本当はDP1x を待ちたいところですが,その後に交換レンズ機が出るという噂もあるので,先ずは一番安く購入できるDP1 でFAVION 入門かなと.
このカメラは基本RAW 撮影を行い,撮影後PC で現像処理を行います.カメラでjpeg 出力も可能ですがこのカメラの持ち味を生かすには矢張りRAW 撮影と現像が必要です.

問題は,現像ソフトのSHIGMA Photo Pro(以下SPP)はWindows/Mac OS X でしか動かないのでLinux では現像が出来無いというところ.

- SIGMA DP1 : ソフトウェアダウンロード : SIGMA Photo Pro
http://www.sigma-dp1.com/jp/software/spp/

RAW でもDNG という共通規格であればLinux でも現像は可能ですが,SIGMA はX3F という独自規格の物になっています.
専用のSPP で無いと無理そうです.

幸いSPP は誰でもダウンロードできるようです.そして,Linux(BSD,Solaris,Mac OS X も)にはWine というWindows の環境を動作させることの出来るプログラム群があります.これでSPP 動かないか試してみました.

- WineHQ - Run Windows applications on Linux, BSD, Solaris and Mac OS X
http://www.winehq.org/

ここでのwine のバージョンは1.1.4 です.
SPP をダウンロードして,wine setup.exe とすればインストーラが起動します.
特に問題なくインストール完了.
起動もします.インストール時に日本語を選んだのですが,英語で起動してきますがとりあえず問題ないので進みます.X3F ファイルが無いと現像を試せ無いのでサンプルを公開している人からDL させて貰ったりして入手します.X3F の置いたディレクトリを指定すると,サムネイルが表示されます.Ctrl+A でX3F を全選択して右クリック,[Convert to JPEG file] を選ぶと一括でjpeg に変換されました.
しかし,jpeg のサムネイルが表示されません.ダブルクリックしてReview では表示されます.
Review 画面で微調整も問題なくできるようです.
#パラメータを弄っていると時間を忘れてしまいますね

ということで,思ったより問題なく動作するようです.
問題としては,

  • 英語版で起動してくる.
  • jpeg のサムネイルが表示されない.

ここで,wine を現在の最新版の1.2 にアップデートしてみました.
すると,jpeg のサムネイルも表示されるようになり,問題は英語版で起動することだけになりました.英語版で起動すると言っても操作はそう難しくないのであまり問題にならないと思います.
ちなみに,SPP は他のカメラで撮影したjpeg は認識しますが,DNG は無視されます.
Screenshot-SIGMA Photo Pro 4.1(Wine 1.2)

別の方法として,Adobe が各種RAW 形式を一般的なRAW 形式であるDNG に変換するプログラムAdobe DNG Converter という物を公開しているのを知りました.もちろん?Max OS X or Windows のみでLinux 版はありませんがSPP がWine で動いたのに気をよくして試してみました.

- Adobe - Digital Negative(DNG)
http://www.adobe.com/jp/products/dng/

Wine 1.2 で試した結果特に問題なくX3F からDNG へ変換できるのを確認しました.
これでバージョンアップなどでSPP が動作しなくなったとしてもDNG に変換して現像も可能そうです.
Adobe DNG Converter(Wine)

この後調子に乗ってAdobe Photoshop Lightroom3/PENTAX Digital Camera Utility4 を試しましたが両方ともそのままでは利用できませんでした.

  • Lightroom -> 起動するが,ファイル選択で落ちる.
  • PENTAX Digital Camera Utility4 -> 起動中に落ちる

PENTAX Digital Camera Utility4 は誰でもダウンロード可能ですが,旧バージョンからのアップデートインストール,若しくはインストール時にCD-ROM を求められます.

そんなこんなで,SIGMA DP1 の購入の技術的問題がクリアされてしまったのでした….
#週末はカメラ屋巡り?

追記)
Wine で目的のアプリケーションが動くかどうかをいちいち試すのはめんどくさいですが,Wine のアプリケーションデータベースがあるのでこちらを参照するとよいです.目的のアプリが載っていたら動作するしないが分かります.バージョンが古かった場合は自分で試して更新するとみんなの役に立つでしょう.

- WineHQ - Wine Application Database
http://appdb.winehq.org/